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座談会Vol.1:演PASSメンバー座談会!みんなは「演劇」をどう思う?

  • 白須裕子、小林舞衣、吉川利黎
  • 2016年5月13日
  • 読了時間: 19分

こんにちは!演PASSプロジェクトです。

今回は対談コーナーの第一弾目の更新です!!

これからいろいろな方へインタビューをしていく予定の演PASS。そこで、私たちが演PASSをどのように進めていくのかという課題を見つけるために、

「私たちのもつ演劇へのイメージ」や、

「演劇のココがいい!」「これからの演劇は、もっとこうあるべき!」

といったトピックを設定し、座談会を開きました!今回はその模様をお届けします!!

予想を上回る盛り上がりを見せていますので少々長くなっていますが(笑)、私たちの生の意見や熱い想いが詰まっています!

どうぞ最後までご覧ください!

座談会メンバー:大舘実佐子、小林舞衣、白須裕子、内藤紅葉、吉川利黎

━まずは自己紹介

大舘実佐子:とりあえず、名前だね(笑)。じゃあ私から!大舘実佐子です。演PASSを立ち上げました。(以下:)

小林舞衣:よ、大舘! 

お:そういうのいいよ、まいまい(笑)じゃ、まいちゃんどうぞ。

小林舞衣:小林舞衣と申します。おーちゃん(大舘)と同級生です。 (以下:)

白須裕子:白須裕子です。おーちゃんと一緒にこのプロジェクトの企画をしました。 (以   

 下:) 

内藤紅葉:内藤紅葉です。おーちゃんとしらすの高校時代の同級生です。頑張ります(笑)。 (以下:)

吉川利黎:吉川利黎です。皆さんよりは一学年下です。宜しくお願いします。 (以下:)

━なぜ演PASSを作ったのか?なぜ演PASSに参加したのか?

:もともと、わたしたちは(演劇を)やってたんだよね?

:そう、演劇を「やる」「舞台を作る」っていうプロジェクトをしてたんです。

:高校卒業した時に舞台作りたいなって思って、関心のあるメンバーを集めてね。

:そう。それを経て、演劇に対しての関心って意外と薄いんだなっていうのをとにかく感じた。宣伝しても全然人が来なかったり。演劇の良さっていうのを教えてくれる人とか 場所って意外とないなって思ったの。やっぱり自分から行かないと舞台とか観る機会ないし。確かに、どこでどういう公演やってますよ~とかいう情報って結構いろんなサイトで更新してるし、有名な俳優さんの対談とかが載ってるインタビュー雑誌とかはあるんだけどね。例えば、「将来、舞台の仕事がしたい!」とか思った時に、演出家ってどういう仕事してんだろうということを調べても大した情報が出てこないんだよね。ネットとかで調べても。だったら、発信する側というか、広める側の活動っていうのをしたら面白いんじゃないか、って思ったんだよね。単純に、観劇人口を増やしたいとか、演劇に関心がある人を増やしたいっていうような想いももちろんあるんだけど、情報が何もないっていう状況で自分自身が苦しんだ経験があるから、自分たちの年代よりも下の人たちが今後舞台に関わっていきたいと思った時に、そのための手助けにもなるような活動にしたいなっていうのもすごくある。演劇関係の仕事をしている人に話を聞くとかってなかなか普段出来ない経験じゃん。人数が多ければそういう経験ができるかなっていうのもあるし、団体だからこそできる発信の仕方で、演劇の面白さを広げていけたらなっていうのがすごくあり。作ったんですよね。

:いま、色々な分野に興味があって活動してるメンバーを募集してるんだよね。例えばまいまいは雑誌つくってるよね。

:友達と、美術雑誌っていう名目で、「暮しの手帖」を参考にしたかんじで作ってた。おーちゃんが「ことりっぷ」を参考にしたいって言ってたみたいにね。なんかもっと「美術とその他諸々を楽しもう」っていう雑誌を作ってた。それがにわかに活動し出したくらいのタイミングでおーちゃんに声をかけられたっていう感じなんだ、たぶん(笑)

:なるほど。皆のそんな話聞きたいね、なんで参加したのか。

:おーちゃんたちと、去年の夏に第2回目の公演をしたのね。それが終わって、「これからこの団体続けるの?」ていうことを考えなきゃいけない時期になったのね。2回立て続けに公演やったんだけど、正直、もう一回舞台を打つってのは超大変で、時間も作んなきゃいけないし、お金もすごいかかるし。収益が上がるか?って言ったら、やっぱり厳しいのよ。厳しいのはわかっていたし、利益だけを目的にしてるわけじゃないってのはあるけど、やっぱり現実はそうなんだなって。いったい何が「演劇好きな人」とか「演劇を実際にやってる人」っていうのをこんなに苦しめてるのかなってなっちゃったのね。

:そうだったね。

:演劇のために足を動かしてくれる人、お客さんもそうだし作る人のために…、なんかこう、なんだろうね、劇場に足を運んでくれるような働きかけをしなきゃアカン!ていうふうに思ったんだよね。できる範囲でだけど。あとはおーちゃんが話してくれたことと同じだと思う(笑)。

:ほんと苦しかったね。劇場を借りなきゃいけないんだけど、大体の劇場は予約をする時に使用料金の半分は前払いしなきゃいけなくて。何十万単位で用意しなきゃいけないのよ、お金を。で、私たちも学生だけでやってたから、皆でお金集めたりとかして払う。で、公演が終わった後、売り上げが入ってきて、その中から差し引きされた分だけ返ってくる。第2回公演は中々席が埋められなかったりして、赤字だった(笑)

:うん、正直ね。もう普通に演劇苦学生みたいになって(笑)。結構やばかった。なんでかっていうとサークルとか部活じゃなかったから。大学に属さない団体だったから、もともとの貯金もないし、団体としてのキャリアもない。本当に大変なことはたくさんあった。 でも絶対わたしたちより悲惨な感じになってる人もいると思う。

:そう、あと稽古場費が結構高いんだよね。

:高い。

:大学に所属したサークルとかに入ってれば、稽古場として大学内の部屋とか使えるのね。でもわたしたち使えないから区民館とか使えるところ借りて…もうどんどんお金出て行くんですよ。

:稽古場費は30万くらい見積もったかな、第2回公演の時も。たぶんそれ超えたと思うけど(笑)。 安い場所を選んでたつもりなんだけど、昼の1時から稽古開始で、だいたい夜の9時半くらいまで取ってたとして、安いところでもやっぱり7000円くらいかかった。むしろそれは安いパターン。例えば他の団体の予約が入っててそこが使えなかった場合に、別のちゃんとしたスタジオ探さなきゃってなったときは悲惨だよ(笑)。スタジオとかめっちゃ高いから(笑)。今言ったくらいの時間帯だと、一日1万円はぜったい越してるよね。

まあその苦しみが結構大きな原動力になってる部分もある(笑)。

:ほかの業界でもあるのかなあ、美術系の人もギャラリー借りるのに貸しギャラリーだとお金かかるし、バンドやってる人もノルマっていう制度があるらしくてそれに2万3万かかるのでやめちゃう人が多い、っていうことが多いらしくて、学生には厳しい。

:やっぱり、キャストの人がチケットを売る役割、て決まってるわけじゃないけど、お客さんを集める能力があるのって役者なんだよいちばん。だから、本番観に来てくれたお客さんって、絶対誰かの知り合いなんだよね。スタッフ側も頑張って売るけど。友達ほぼ全員に宣伝を送ってさ。でも、客席にほぼ知り合いしかいない状況を見るとちょっと複雑な気持ちになるよね。

劇団とかが大きくなっていくのって、いかに関係ないファンを増やすかだと思う。今、結構劇団っていっぱいあるのよ。ある程度は売れてるよみたいな劇団。でも、例えば外部の劇団に出てくださいとかいうオファーが来たり、お互いに出演しあったりする「客演」システムがあるんだけど、その結果ね、劇場の中で劇団員同士の「見合いっこ」みたいなことが起きるわけね。そうなってくると広がらないじゃん。お客さんは来てるように見えるけど、実際観に来てるのは役者や演劇関係者だけだったりするからさ。でも、そこをいかに広げてくかってのがすごい難しい部分。例えば知り合いの知り合いとか一般のひとが観にきて、その人が発信してさらに全く関係ない別のひとが観にきてくれて…という風にファンを増やしていかないと。でもなかなかそれがうまくいくわけではないから難しいんだよね。

なんでだろうね。自分も演劇見る機会なかったわけじゃないのに通いつめるほどになってない。

:出会う演劇ってさすごい大事だよね。例えば初めて小劇場に演劇見に行ったとする。3500円払って観に行ったら映画よりクオリティ低かった時に、「こんなもんか」って思うよね。心のどこかで。映画2本か3本くらい観れる値段で、1回2 時間くらいの演劇を観てるわけじゃん?

:そういうふうに考える人は現状としてすごい多いと思う。「演劇が好きなのはわかるんだけど、なんで映画じゃないの?」っていうのを親戚に言われたりして(笑)、すごい悲しかった。

:なぜか、テレビとか映画をすごい推すんだよね。別に演劇じゃなくてもいいんじゃないの、みたいな。確かに日本で一番発信力のあるメディアってテレビだよね。ギャラとかもテレビの方が高いと思うし。小劇場でやってた役者さんも売れてくるとテレビに出始めるわけじゃん。そういう背景もあって、演劇に全然興味がない人からしてみると、テレビの方が上みたいなのがあると思うんだよね。言い方悪いけど。

:テレビで活躍してる俳優とかみると、もともと舞台俳優やってました、舞台女優やってました、っていう人は演技うまいなって印象がある。舞台やってた人が映像に行くのはいいことだと全然思う。

:あと単純に、国自体が舞台芸術にかけてる費用が少ないとおもう。

:国を挙げて推してる感じはないよね。オリンピックの開会式とか活用できる場面は近い将来見えてるにしてもそれに金をばらまこうという気が見受けられないじゃないですか。逆に海外とかの方が演劇推してるんじゃない?ていう感じはあるのかな。

:あるんじゃないかな、トニー賞​とか演劇の賞があるわけじゃん。大々的にテレビで放送したり。

:日本にもあるっちゃあるけどなんかもう、、(笑) ​菊田一夫賞​みたいなね。もう演劇っておじいちゃん行事なんだよね。

:ブロードウェイを目指す人はいっぱい居るじゃないですか。日本はあんまりないかも。舞台俳優を目指すみたいなの。わたしの近くにいる劇団員の人もやっぱり将来はテレビに出たいみたいな感じだったんで。

:しょっぱなからこんなに真面目な話する気なかったんだけど(笑)

━みんなが抱いている舞台の印象は?

:どう皆、舞台観に行く?

:大学でやってる友達の公演を観に行ったり、あとはバイト先の劇団員の人の…それはまだ観に行けてないんですけど、話を聞いたりとか。それくらいで。全然小劇場に通ったりとかはしてないです。

:べつに通ってはいないよね、私達も。

:観ても月5,6本かなあ。

:結構観てるねえ(笑)。

:結構観るようにはしてるんだけど。でも難しいよね。自分で観に行くために、一回気合い入れなきゃいけないじゃん。「観にいこう!」みたいな(笑)「チケット取ろう!」と思う、取る、行く、っていう。工程にいちいち決意が必要、心構えというか。

:その時間空けとかなきゃなあ、みたいなね。

:やっぱ演劇観るのって体力使うし。映画とは、受け方が違うと思うんだよね。動いてる生の人間ってすごいパワーがあると思う。目の前で人が殺されるシーンであったり、はげしく身体を動かすシーンがあったり。それだけじゃないけど、号泣するとか、笑うとか、目の前で繰り広げられた時に、自分と同じ生身の人間だっていう実感がある。舞台に立ってる側も同じくらいパワーを使ってると思うのよ。疲れるし、すごく影響もうける。しらすは役者とかもやってたけど、やってる側としてどうだった?

:客席から受け取るものはすごくあるね。公演を複数回やった場合の話だけど、一公演ごとに全然実感が違う。いま自分が動いたこととか言ったことが、お客さんにどれくらい伝わってるかっていう度合いも違うし。

:なんか、お客さんが固い日と固くない日があるよね。ネタをぶっこんだらアッハッハッハ!て笑ってくれるときと、(シーン)みたいなときと。お客さんの層、というかそのときの空気感がすごく違う。

:感じるんだよね。

:だから生だと思うんだよね。

:目線を感じるからやっぱり。ね。それにはすごい影響をうける。

:演劇を観に行ってさ、どういう印象をもつ?

:私の場合は面白いと思うことが多いですね。友達が出てるからっていうのもあると思うんですけど。同年代の人たちがやっているのにすごい完成度高いなあって思います。それで、一回目の公演が面白かったから、次もいつあるか教えてみたいな感じにはなります。

:成功してるなあそれ 。

:でも、確かに知り合いがいない、ってなると同じ大学のほかのサークルでもあまり、ていうか行ったことないですね。きっかけがない。

:ないよね。

:くれちゃんとかどう、たまに観に行く?

:いや、2回くらいしか行ったことない。『ファーストメット・ミー(フライハイトプロジェクト・2015年)』、と『ぱれゐど(チョコレイト旅団・2016年)』。

:『ぱれゐど』ね。ありがとうございます(笑)

:どっちもすごい面白かった。

:くれちゃんは、この前も言ってたけど小劇場の空間に興味があるみたいな話してたじゃん。

:そうだね。やっぱ照明とか、自分が同じ空間にいるから結構生々しく感じるし。

:自分もちょっと光浴びてる感じね?

:そう、自分も浴びてるし、この間観た舞台とか桜吹雪がファーって舞うシーンがあって。それが自分のところにも来たりして。「わ~」みたいな。同じ空間に居られるのがすごいなあと思う。ちょっと映画観るときよりもキリっとしちゃう。

:やっぱ緊張するよね。舞台に立ってる人からも視線を感じるからかな?

:でもそれ以降は、いま何の舞台やってるのかとかも全然わかんないし…。

:3D映画ってあるじゃん、あれってわたし、「それだけで終わる」って感じがするんだよね演劇と違って。

:どういうこと?それで終わるっていうと。

:演劇もやっぱり3Dじゃん。でも、さっきみんなが言ってたように、舞台側とお客さん側、両方向で何かしら交換してる。どっちも影響受けてる。でも映画だと、たとえ3D映画にしたとしてもよ、画面の中のものが私たちに飛びかかってきたとしても、結局ここ(目のまえに手のひらを出す)で終わるっていう。

:映画はやっぱ映画なんですね。

:だからやっぱり、演劇をやっている私に対して「映画と何が違うの?」とか「映画も良いと思うんだけどなあ」とか「なんで映画じゃなくて演劇の方を頑張ってるの?」とか「好きなの?」とか聞いてくる人いるんだけど、全然違うのになんでそんなこと聞くんだろう?て思う。悲しいと同時に。

:分かる分かる。 本当にね。全然違うもんね。映画は映画の良さがあるけど、演劇にも演劇の良さがあるから。

:でもブロードウェイとか欧米のほうの演劇の立ち位置って、日本とは全然違ってて。たとえば向こうの人って結構、舞台公演を映画感覚で観に行ってるのかなっていうふうに思ってて。まあ演劇というよりは主にミュージカルだからなのかもしれないけど。そういう習慣があるってことは、地位が上なのかなとも思う、演劇の。

なんで(欧米では)そんなに演劇が盛んかっていうのを、調べてみたいよね。

:向こうでブロードウェイの舞台に立ってるってだけでもすごいことですよね。

:海外だと役者自体が、公務員みたいな扱いをされるって話を聞いた事がある。お給料が出るみたいな。

:安定してるんだね。

:これは映画の話になると思うんだけど、ハリウッド映画俳優とか女優とかって、事務所とかないんだよ。自分でチームをつくって、プロデュースしてくれるためのエージェントとかマネージャーみたいなの見つけて、自分たちの力でどんどんキャリアを積んでいく。あと、とりあえず向こうは俳優とかになるための教育課程がちゃんとしてる。

:そうだよね。ほとんどの大学に、演劇系の学科がある。日本ないじゃんほぼ。 やっぱり…今の日本において、舞台の世界って色々な意味で狭いんだろうね、きっとすごく。

:その劇場に行かないと全部を観れないから。あの箱の外で、演劇についてのことをなんかしらやるにしても、なんかしら伝えようにも、たぶんできないんだろうね。異空間みたい。

:演劇観ててさあ、何が面白いなって思う?くれちゃんは、美術館めぐりとか好きだよね。

:好きです。

:美術館めぐりと演劇って共通点ある?演劇はこういう部分がいいなって思う部分とかある?

:共通点は、さっきも言ったけどやっぱり映像とか写真じゃ意味がなくて、まあ意味なくはないけど、本物の作品を観たときの感動って全然違う。なまもの?ていう感動があるっていう共通点はある。演劇行ったときの周りの客層とかを見てて思うのは、自分の知り合いとか、本当に演劇に興味ある人、演劇に熱い想いを持っている人、ファン…とかしかいない。美術館は、「ちょっと観てみよっかな」とかいう感覚?デートで来てみたりしてる人多い。

:デートで観劇来ないもんね絶対。

:「今日演劇観に行こ~♡」「いいよ~!」みたいなのないもんね(笑)

:そういうのが、ないなあって。

:そういうのを実現させたいなみたいなのもあったよね。

:あれでしょ、軽い気持ちで観に来れるようにしたいみたいなやつでしょ。映画を観に行くとか美術館に行くみたいな、そういうテンションで、演劇観に行くっていうのが欲しいよね。

カフェめぐりする時間あったら演劇1本観よ~みたいなさ(笑)。カフェ、カフェ、美術館、演劇、カフェ、帰る、みたいな(笑)。

:カフェ行き過ぎじゃない?(笑)でもすごくわかる。何でそれができないんだろうね?

:なんか、結構微妙な駅が多くない?

:駅前にある劇場全然ないもんね。どこが駅前だろうね。

:下北沢とかになっちゃう。

:もし駅前にあったら観に行く?かもしれない?

:かもしれないかもしれない!(笑)

:駅前ね...りらちゃんはどう思う?行くときに「あー気合入れていかなきゃ」みたいなのある?

:劇場が辺鄙な場所にあるっていうのもすごいあると思うし、映画とかだったら1日に何公演もやるけど…演劇だと、もうこの1週間とかこの何日かの間のこの時間しかない!ってなると、映画は一回逃しても次があるからっていうのもあると思うんですね。でも演劇は確かに1日に何公演もできないし。

:そうだね、やっても3回とかだよね。あとさ、チケットを買う手順とか面倒くさくない?ちょっと。席とかも指定できるわけじゃないじゃん、映画みたいに。

:どうなんですか、ネットとかで取れるんですか、演劇って。

:大きい劇場なら予約のシステムがあるよね。

:小劇場はやっぱり手売りとまではいかずとも、直接売るのがすごく多いかな。

:そうですよね。映画はネットとかでも買えちゃうから、「今日あとで行こう」とか「明日行こっかなー」とか思ってチケット取れるけど、小劇場のチケットってどうやって売ってるのかいまいち分からないってのはあります。

:映画館とかおっきい劇場とかのチケットシステムは、もう企業が付いてんだよね、システム運用の。だから一括して管理できるんだけど、小劇場はもう、場所がある、っていうだけで、それを使う人たちが頑張ってチケットを売って、公演もしていくっていう感じだから…。

:大きい劇場になってくると、チケットぴあとか、ローソンチケットとかで申し込みして、コンビニ払いだったらコンビニに行って、払って、チケットもらえばそれがもうチケットとして使える。でも小劇場での公演ってなると、予約して、当日劇場に行って払うみたいな。何がよくないんだろうね??

:そこ解明しよっか。

:場所なりチケットの売り方なり、もっと気軽になったらよくなるのかなあ。

:映画より高いのが首絞めてる。

:チケット代に見合うものが観れたとしたらどう?「あ~よかったなこれ、3500円だったけど、5000円くらいの価値あったと思うわ。」みたいな。

:あ、でも同じ公演だったらそうなんないかもしれないです。

:そうだよね…。映画とかって2回観に行ったりする?

:あ~、好きだと…。

:観に行きますねえ確かに。

:何が違うんだろう…。

:でも高いんじゃない単純に。 安くしてよっていう感じだよね(笑)

━演PASSについて

:どういうモチベーションで?やってく?わたしは、頑張る。

:白須さん!頑張ってください、そこは(笑)

:目指すべきものいっぱいありすぎて。大きいものからちっちゃいものまで。

:チラシにも書いたんだけど、やっぱり、演劇団体と、潜在した観客との橋渡しになるってのがまず1個。だから今話してた内容だよね。

「舞台と観客との間の見えない壁を壊そう。」

:そこをどうやったら壊していけるかってのを考えていきたいなって。もう1個は、じゃ、りらちゃんこれ読んでください。 (作成中のチラシを渡す)

「演劇の面白さを様々な側面から発信し、唯一無二の団体になる。」

:ていうことですよね。 じゃあくれちゃん。

「プロジェクトメンバー自身もそれぞれの方法で演劇を掘り下げ、演劇の魅力や必要性を語れるようになる。」

:という感じですね。………終わっちゃったよ(笑)。

:こういう目標を掲げたのにもいくつか理由があり。大学で、授業受けてる先生がね、某H先生がいるんですよ。その先生が、海外にいると芸術家って、理論武装する必要がないって言ってて。それは、政治家とか政府がアーティストっていうのを守ってくれるから。アートをやる人たちのことを守ってくれるっていう構造がある。

:保証制度的なね?

:そうそう。けど日本は、そういうのがない。やっぱりアートの価値が低く見られているというか。演劇も含め、アートって生活の中ですごい大切な役割をしてるとわたしは思うのよ。身近なところでいうと、コップとかだって、デザインをしてる人がいるわけじゃん。デザインっていう仕事がある。世の中のモノは全て、少なからずアートに触れていて、支えられてると思うんだよね。でも、普通に生きてたら、アートって自分と関係ない領域みたいに捉えられてしまうんじゃないかと思う、存在してる事が当たり前すぎるから。極端に言うと、別に美術なんか必要ないんじゃないかとか、演劇なんか必要ないんじゃないかって。そもそも日本では美術、芸術、演劇とかの助成金が少ない。例えば、伝統芸能の文楽は、助成金がないと成り立たないくらい厳しい状況におかれてる。それに対して、ある政治家の人は、文楽への助成金を廃止することを決めたと言ったのね。助成金で成り立ってるものは文化ではないからという理由で。海外ではありえないけど、伝統芸能だからといって優遇はしないって今の日本ではあり得てる。伝統芸能とか、もしくは本当に必要なものが、そうやって消えていくのかもしれない。だから君達もアートに関わっていくんだったら、理論でそういう人たちに対抗できるようになりなさいって事をその先生の授業で聞いて、色々考えた。ぼーっとしてちゃダメだなって思ったし、もっとちゃんと知識をつけて、自分の意見をしっかり持ちたいなって。だから演劇の魅力、必要性を語れるようになるっていうのを目標にしたかった。

━今後どのような活動をしたいか

:具体的に?それともちょっと抽象的に?

:今日話してみて、どういうふうにしたいかっていうアイデアは浮かんだりした?

:さっき舞台をみる際の不便さの話があったけど、果たして駅チカに行きやすい小劇場が存在するのかどうかとか、何が行きにくくしてるのかとか。不便さみたいなのがどういうものなのかなっていうのを、ちょっと解明したいなと思いました。

:そうね、解明したいね。わたしはあれだな、皆でやっぱり1回観劇に行って話がしてみたいな。

:あるね!皆で同じものを観て皆がどう思ったか、みたいなことまとめたい!

:わたしはやっぱり、なんで日本はこんなに観劇の文化がないのかなあっていうこと?海外の演劇事情はどんなものなのか、いろんな国を調べてみたいなって思います。

:わたしは、海外で演劇がすごいっていうのはなんでなのかってこと?どういう経緯で今みたいな人気ジャンルになれたのか、気になったなあ~。

:じゃあ~こんな感じで今日の演PASS座談会終了ということで。 これから頑張りましょう!!

:ありがとうございました!

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